未来からの贈り物




ん……………………………。


あ……。また倒れたんだ……。


暗い部屋に蝋燭の薄明かりに周りが良く見えない……


慶喜「目が覚めたか………」


莉奈「慶喜?」


慶喜「あぁ……。気分は悪くないか?」


莉奈「ん………………。平気」


慶喜「心配した」


莉奈「ごめん」


慶喜は莉奈の横に胡座をかき、莉奈の髪を梳きながら頭を撫でた


慶喜「ん? 熱があるな……華!」


華が部屋に入って来た。


慶喜「熱が出ている。冷やしてやれ」


華「はい」


慶喜「莉奈……。帯を解くぞ?体を拭いてやる」


慶喜が帯に手を掛けると莉奈は制止し


莉奈「華にしてもらう。慶喜は触らないで」


慶喜「くそっ!!!」


莉奈「変態」


熱でトロンとした目に、薄明かりの部屋……。汗で髪がへばり付く莉奈の姿は正に慶喜の理性を軽く崩壊させる。


慶喜「誘ってる様だ」クスクス


莉奈「アホ……。戻って仕事しろよ…」


慶喜「終わった。お前のそばにいる」


莉奈「勘弁して……慶喜がいたらゆっくり眠れない」


慶喜「病人を襲う趣向はない」


莉奈「はぁ……。襲ったら殺す」


慶喜「相打ちだ」ケラケラ


莉奈はコロンと慶喜がいない方に寝返りを打ち、布団を抱き枕にして目を瞑った


慶喜「おい……足を出すな!足を!」


莉奈「熱くて死にそうなの。我慢出来そうもなかったら出てってよ………」


慶喜「綺麗な足だ……」ナデナデ


莉奈「(ゾワゾワゾワ〜〜〜……)
触らないで……。吐くよ?」


慶喜「(イラッ!)失礼なっっ!!!」


莉奈「ん〜〜〜〜……。はぁはぁはぁ。
慶喜……お水……飲みたい……」


慶喜「……………………………。
美菜っ!水持ってこい!!!」


莉奈「……………………………。
何でお前此処にいるんだよ………」


慶喜「お前のそばにいたいからだ。」


莉奈「移ったら公務に支障が出るから………帰ってよ……」


慶喜「風邪じゃないから移らない……。
知恵熱だ………」


莉奈「……………………………。
子供みたい………はぁ……」クスッ!


慶喜「お前の行いは子供だ」


莉奈「…………………。あっそ……」


慶喜「減らず口は…熱でも変わらんな」


莉奈「頭痛ぁ………」


華が桶を持って入って来た


美菜は水を持って………


華「慶喜様……体を拭きたいので……」


慶喜「あぁ。構わん」


莉奈「出てけって事だよ」


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