未来からの贈り物




孝明天皇「此れが……先の世……」


慶喜「莉奈は……何者だ……」


莉奈「親善大使をしておりました」


慶喜「親善大使………」


大した事はない。だがこの時代にはとんでもない事だ。


莉奈「お互い強力し合って、良き世界を作ろうと努力しています」


慶喜「世界っっっ!!! 規模が大きい」


確かに……デカイな……。


孝明天皇「まだ世界は平和ではない……と?」


莉奈「残念ながら……世界ではまだまだ戦は起きています。日本国が最後に戦をしたのは80年程後に起こる世界大戦を境に、日本国では戦はありません。

連合軍の戦に加勢することはありますが……」


孝明天皇「日本国は連合軍なのだな? 世は平和になるのだな?」


莉奈「はい。日本国は幸せに御座います。日本国民は、手先が器用な事からカラクリの発展も目覚しく、世界でも日本製と聞くだけで、素晴らしいと評価される程で御座います」


孝明天皇「今此処で決める訳にはいかない。儂はまだ攘夷の意を持っておる」


莉奈「分かっております。数年かけて納得して頂きたく存じます」


孝明天皇「うむ。そなたの意は汲み取った。 もう下がって良い」


莉奈「はい。 あと一つ。我々、幕府も尊皇であることをご理解下さい。」


孝明天皇「わかっておる」


莉奈「失礼致します」


深々と頭を下げ、襖を閉めた。


足がガクガクで廊下でへたり込んでしまった。


き……緊張と着物の苦しさで……また意識が飛びそうだ。


壁伝いに歩いていたが……砂嵐が見え始め、油汗が出て来た……。


あぁ……また……


バタン


凄い音を聞きつけ慶喜が部屋から飛び出した


慶喜「っっっ!!! 莉奈っっっ!!!
またかっっっ!!! 誰かっ!誰かっ!」


莉奈を抱き上げ帯を緩め莉奈の家まで走った


慶喜「時っっっ!!! 布団を敷け!
また莉奈が倒れたっっっ!!!」


三人「っっっ!!!」


急いで布団を敷いて寝かせた


慶喜「脱がせてやれ……。また来る」


慶喜はまた孝明天皇の下へ戻って行った



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