恐怖の友達
呪われた男達

 林檎の悲劇から遡る(さかのぼる)事25日。

神尾充は、真剣な表情で携帯電話を操作していた。


「林檎ちゃんは今日も放置か。約束してたのにな……」


充は林檎のプロフィールでため息をついた。

そこには無数の足跡があるのみ。

何回も来ているが、足跡は必ず知らない名前に入れ替わっていた。


林檎ちゃんは友達が200人もいるからな。

数友というが、200人にコメントを返す時間があるなら勉強をした方がいい。


日記を書けば100人もコメントをくれる。

彼女は仲の良い人に返事をするので精一杯。

ちなみに充が返事を貰えるのは2回に1回だ。

だが、3回コメントをして、2回メールをしても彼女からの返答はない。


メールで問題を出して、相手が答えを考えている間に、問題を送っは方は答えを書く。


そして、送られた方が答えを送ると、送った側が答えを送る。


これが充と林檎が約束した事だ。

テスト前の復習。林檎はテストのつもりで取り組み、


学年が2つ上の充は、大学進学の為の勉強である。


受験勉強は塗り絵である。

高校一年の勉強は高校3年になれば、かなり忘れている。


忘れた部分を林檎に出題して貰って、思い出せれば充の受験は明るい。


思い出せなくても、後から回答が送られて来る。


お互いに良い勉強方法だと林檎ちゃんは感動していたのに。


どうしたんだよ。林檎ちゃん。変だよ。何かがおかしい。


充は軽く自然にセットした髪を頭をガシガシと掻いた。


すると知らない人からミニメールが届いた。

それは隆一という名前だった。
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