シンデレラを捕まえて
「美羽さんも、鉋掛けしてみる?」


穂波くんから鉋を一つ貸してもらって、木片を削らせてもらった。
穂波くんが動かせば、すう、と木の布を産む鉋が、私の手になればきしきしと軋んで木くずしか残さない。木肌は凹凸に歪んだ。


「むずかしい……」

「最初っからうまくはいかないさ」


ぷう、と頬を膨らませる私を、穂波くんが笑う。


「こうしてね、水平を意識して、ゆっくりと動かしてみて」


私の手から鉋を取って、穂波くんが木肌を滑らせる。さらさらと現れた木目の生地にため息が零れた。


「すごいなあ。神業だよ」

「ふ。美羽さん、大袈裟」


ひらひらした生地を手にとり、感嘆の息を吐く私の頭を軽く撫でる。


「あそこに重ねてるものはどれを使ってもいいから。興味があるなら練習に使うといいよ」

「うん!」


それから私は、昼食の準備に手を離す以外は鉋を使っていたのだけれど、それでも穂波くんの作るようなものを生みだすことはできなかった。
これを悠々と使いこなす彼らの日々の修練のすごさを思い知った。


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