続・ドキドキ
「ほら。」
「ありがとー」
早く、出てって。
聞きたくない・・・
声を押し殺して泣く。
「気ぃつけろよー、見かけによらず、どん臭いんだから。」
「うーるーさーいー。」
クスクス笑う声。
山中さんの声はすごく嬉しそう。
こんなときに働く勘はイヤだ。
きっと、山中さんは修ちゃんのことが好きだ・・・・
「昨日・・・」
え・・・?
静かになった。
何?
「昨日、ごめんね。」
寂しそうな山中さんの声。
「・・・・・あ、いや、俺こそ・・・」
やっぱり・・・昨日の女の人は山中さんだったんだ・・
「じゃ、」
ドアが開く音がする。
走っていく足音が聞こえた。
静かになる保健室。
カーテンが開いた。
「・・・・葵・・・?」
修ちゃんが私を呼ぶ。
ダメ、どうしたらいいかわからない。
反対の窓の方に体を向けて、ぎゅっと布団を握る。
「寝てる・・・・?」
修ちゃんはつぶやくと、カーテンをまた閉めた。
その時、保健室の先生が入ってきた。
「おぉ、高橋君。」
「あ、先生・・・」
「何~?彼女が心配で見に来た??」
「あぁ・・まぁ・・・」
「大丈夫よ、ただの寝不足。午後には元気になるんじゃない?」
「そうですか・・・」
「ほら、授業始まっちゃうよ!」
「はい、失礼します・・」
修ちゃんが出て行く音がした。
昨日・・・・・何があったの・・・・?
「昨日、ごめんね。」
「・・・・・あ、いや、俺こそ・・・」
何がごめん?
何が俺こそ・・?