「よし、あとちょっとだね。がんばろ!」

「あら、頼もしい。じゃあ私はお父さんのを片付けるから、

かんなは押し入れのをお願い。そのまま階段の下の納戸に閉まってくれればいいから」

「りょーかい!」



私は気合いを入れ直してダンボールを持ち上げる。

ラベルには大体何が入っているかも、書かれていたので作業が楽だった。



「ん?」



さくさくと納戸にダンボールをしまい、いよいよラスト数個になった時だった。

ラベルに"子供用品"と書かれているのを見つけ、なんとなく箱を開けてみる。


箱の中には、小さい頃、気に入っていたぬいぐるみや、おもちゃが詰まっていた。


どれも、なくしたと思っていたものばかりだ。


父の仕事の都合で引越しが多かったから、きっと、何回も引っ越すうちに、ダンボールにいれたままになってしまい、押し入れで眠っていたのだろう。


懐かしくなった私は、ひとつひとつ箱の中身を取り出してみたくなった。



「かんな。どうかしたの?」



父の荷物を整理しおえたらしい、母が近づいてくる。

私はぬいぐるみをひとつ取り出して母に見せた。



「懐かしいでしょ?ゆっくり見たくなっちゃった。

ねえ、この箱。ちょっと私の部屋に持ってっていい?」

「いいわよ。でも、もう遅いから、夜更かししちゃダメよ。アンタ、今日だって寝坊したんだから。

とりあえず先にお風呂入ってきなさい。この箱は、部屋に運んでおいてあげるから」

「ありがと」



母の言葉に、時計を見ると、もう10時を回っていた。

私は急いでお風呂に入り、懐かしい宝物達を見るため、自室のある2階に登ったのだった。

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