MOONLIGHT
だけど。
何件も不動産屋を回っても、話はまとまらず。
何故だろう。
困り果てて、ホテルを探すことにした。
でも、何故かどこのホテルも満室で…。
どうしようかと思っていたら。
「あれ、レイ。どうしたの?荷物持って…。」
海沿いの、人通りの少ない道で。
柴犬を散歩させる、瀬野将と偶然再会した。
凄く驚いたけれど。
聞けば、鎌倉に住んでいるとのこと。
そうか。
なるほど。
てゆうか。
「すっごい、綺麗な犬!!なに?このコ?可愛いんだけど!!!てゆうか、美人!!!」
本当に、毛並みも綺麗で、凛としていて、顔もほっそり小づくりで、何ていったって、目がクリクリで可愛い!!!
その上、この柴犬、人懐っこい!!
しばらく、遊んでしまった。
なんで、こんな可愛く尻尾をふるんだろう。
私は、久しぶりにはしゃいでしまった。
そんな、私をキョトンとみる瀬野将。
しまった…。
動物を前にすると、私、異常にテンションあがるんだよね。
「すげー。」
瀬野将が、感心した声を出す。
「何がっ?」
「いや、弁慶が俺以外にそんなに懐くなんて、信じられなくてさ。」
「え?弁慶?」
「ああ、この柴犬。弁慶っていう名前。」
ちょっと、ネーミングセンスがどうかと思うけど。
「…渋いね。何、懐かないの?こんなに可愛いのに?」
「まあね。コイツ、プライド高いから。」
「へぇ。そうなの?」
犬がプライド高いって、よくわかんないけど。
滅茶苦茶可愛いでしょ?
「それより、どうしたの?こんなところで、荷物持って…。」
瀬野将が、私の大きなキャリーバックに目を向けた。
カクカクしかじかと、説明をした。