MOONLIGHT




「本当に、いいの?」


私がまた、そう尋ねると、本当に大丈夫だから、と鍵をわたされた。

閑静な住宅街にある、高級マンション。

瀬野将の部屋の隣に倉庫代わりに借りている部屋に、とりあえず住むことになった。

条件は、弁慶の遊び相手と家賃5万円。

もともと借りていた部屋なので、光熱費分だけもらうだけでいい、と言われた。

本当に、いいのだろうか。

まあ、次の部屋が見つかるまで、とりあえず借りることにしよう。

人に借りをつくるのが嫌いな私が、珍しくそう思ったのは、かなり切羽詰まっていたからなのかもしれない。






瀬野将の倉庫部屋は高級マンションの最上階で、その最上階には2部屋だけ。

もちろんもう1つは瀬野将の部屋で。

倉庫部屋は物凄く広くて、だけど荷物も相当な数だった。


まず、服の数が凄かった。

店一軒以上あるんではないかという量。

あと帽子にストール、小物類、膨大な靴の箱…。

こちらも店が開けるほど。


それから、山ほどのDVD、ビデオ、CD、本…。

そして、ファイリングしてある、膨大な資料。

写真もファイリングしてあるようだ。


一体何の仕事してるんだ?



「ねえ、瀬野将は、何の仕事してるの?」



素直な気持ちで聞いたのに、また笑われた。

しかも。



「レイは、何の仕事してると思う?」



質問を質問で返された。


かなりムッ、としたが、気になるので返事が聞きたくて質問に答えることにした。



まず。

お金はかなり稼いでいる。

30そこそこでこのリッチさは、普通じゃない。

かなり、いや、滅多に見られないくらい外見はいい。

生意気だけど。


あと、垢抜けている。

一般人とはちょっと違う、垢抜け方だ。

と、なると。



「一流店の、ナンバーワンホスト?」



それしか考えられない。


だけど、瀬野将は、キョトン、として。



「ぶっ。」



また吹き出された。

何よ。

わからないから聞いているのに、笑うことないじゃないか。

相当、ムッ、としたのがわかったのだろう。

ごめん、と謝ってきた。

はあ。

ダメだ、こんなことで感情的になっちゃ。

私は、いいよ、と答えた。



「あれ、何で?」

「何が?」

「いや…また、無表情になったから。最初会った時みたいに。」



瀬野将が、何故か残念そうな顔をする。






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