MOONLIGHT
「ああ。お父さんが、麗しい月から、麗ってとった…。」
「そう、それを思いだしたの。きっと、お父さんも私のような気持ちで、月を麗しいって思ったんじゃないかって…。私の誕生を心から喜んでくれたんだって、わかったの。随分、強情はって、意地張ってお父さんの気持ちに気付きもしないで…悲しいおもいさせたんだな、って…。」
自分勝手な自分の行動を思いだし、ポロリと涙が出た。
将が、優しく涙をぬぐう。
「でも、お父さんと仲直りしただろ?お父さん、レイの花嫁姿凄く楽しみにしてるぞ?これから2人で一緒に親孝行していこう。」
そう言いながら、将が私のおでこにキスをしてくれた。
それだけで、切ない気持が癒された。
「ありがとう。将のお陰だよ。意地っ張りだった私が、此処まで人を受け入れられるようになったのも、将が私の心をほぐしてくれたから。気がついたら、私の周りにはいい仲間がたくさんできてた。」
「俺にしてみりゃ、まだまだ意地っ張りだけどな?もっと俺を頼ってくれよ?レイの全部を俺が受け止めるし。」
「はい。これからよろしくね?」
将があんまり、男らしい事を言うもんだから、素直に頷いてしまった。
今までの私なら、きっと、私も受け止めてあげる、なんて大口叩いていただろうけど。
いや、今だって、将が大変な時はいつだって受け止めるつもりでいるけれど。
だけど、口から出たのは素直な言葉で。
私の心が柔らかくなったのは。
麗しい月のせいだろうか。
それとも、この。
麗しい男のせいだろうか…。
ムーンライトの中で、
そっと。
唇が近づく気配に、私は。
答えを出すことを中断し・・・。
そっと、瞳を閉じた。
【完】
