MOONLIGHT


「ああ。お父さんが、麗しい月から、麗ってとった…。」

「そう、それを思いだしたの。きっと、お父さんも私のような気持ちで、月を麗しいって思ったんじゃないかって…。私の誕生を心から喜んでくれたんだって、わかったの。随分、強情はって、意地張ってお父さんの気持ちに気付きもしないで…悲しいおもいさせたんだな、って…。」


自分勝手な自分の行動を思いだし、ポロリと涙が出た。

将が、優しく涙をぬぐう。


「でも、お父さんと仲直りしただろ?お父さん、レイの花嫁姿凄く楽しみにしてるぞ?これから2人で一緒に親孝行していこう。」


そう言いながら、将が私のおでこにキスをしてくれた。

それだけで、切ない気持が癒された。


「ありがとう。将のお陰だよ。意地っ張りだった私が、此処まで人を受け入れられるようになったのも、将が私の心をほぐしてくれたから。気がついたら、私の周りにはいい仲間がたくさんできてた。」

「俺にしてみりゃ、まだまだ意地っ張りだけどな?もっと俺を頼ってくれよ?レイの全部を俺が受け止めるし。」

「はい。これからよろしくね?」


将があんまり、男らしい事を言うもんだから、素直に頷いてしまった。

今までの私なら、きっと、私も受け止めてあげる、なんて大口叩いていただろうけど。

いや、今だって、将が大変な時はいつだって受け止めるつもりでいるけれど。

だけど、口から出たのは素直な言葉で。






私の心が柔らかくなったのは。

麗しい月のせいだろうか。




それとも、この。

麗しい男のせいだろうか…。




ムーンライトの中で、

そっと。



唇が近づく気配に、私は。


答えを出すことを中断し・・・。


そっと、瞳を閉じた。







【完】










< 173 / 173 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:105

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
意地っ張りで不器用なレイ と やっと人生を共にできる人と出会えた将 の 周りから感嘆のため息が出るほどの今日は結婚式・・・・ 幸せな2人と2人を取り巻く人たちの思いはいかに・・・ & 結婚後の2人のハネムーン!? バタバタ珍道中のお話も・・・ ※このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業等全ての物は実在いたしません ※著作権は瀬野まことにあります。作品の無断複製、転載、使用は禁止します。 <ベリーズカフェ版です>2014年6月9日公開
やっぱり、無理。

総文字数/68,633

恋愛(ラブコメ)66ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「やっぱり、無理。あんたとは、これ以上つきあってらんない。」 ネガティブ、美女 北島まりあ、大学4年、21歳 「ああっ!?俺ン中じゃ、手をつないでも浮気なんだよっ!覚えておけっ!!」 俺様で、勝手で、乱暴で、ガサツ、 ゴーイングマイウェイな大学准教授 山岸慈朗、もうすぐ34歳 2人の、恋の行方は・・・ *この話はフィクションであり、登場する人物、企業、団体等全て架空のものです。 *著作権は瀬野まことにあります。作品の無断複製、転載、使用は禁止します。 <ベリーズカフェ版です>2014年5月29日公開

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop