MOONLIGHT
結局婚約指輪は、シンプルなブリリアンカットの立てづめのダイヤの指輪にした。
結婚指輪も、シンプルででもラインの美しいプラチナの指輪が一目で気に入った。
仕事中はどちらにしろ指輪はできないので、婚約指輪はいらないと言ったのだが、瀬野将が頑として譲らず、信じられないくらい高額な指輪になった。
しかも、夕真さんのお母さんがジュエリーデザイナーらしく、少し時間をもらえれば、オリジナルをつくってくれると言われたが、瀬野将も一刻も早く欲しいらしく、私も選んだデザインが気に入ったので、丁重にお断りさせて頂いた。
だけど、買ってもらうばかりじゃなんとなく気が引けて。
「私も、何か記念に瀬野将にプレゼントしたい。」
そう言うと、夕真さんがニッコリと笑い、じゃぁ、お揃いでピアスなんてどう?と言われた。
確かに、仕事中はお互い指輪なんてつけられないから、ピアスならつけていられる(瀬野将は、時と場合によるけど)だろうから、いいかな、と思った。
そして、見た瞬間に気にいった、将の『S』と、レイの『R』のアルファベットのデザインのピアスを選んだ。
私たちの結婚発表は、あたりまえだけど瀬野将が1人で会見することになった。
私、一般人だし。
ただ、今週末に来年公開予定の、映画の制作発表があるらしく、今私たちのことが公になると、その制作発表時に瀬野将に話題が集中して迷惑をかけることになるので、発表は来週することになった。
まあ、私が記者会見するわけじゃないからいいけど。
「レイ。」
食後、弁慶を連れて、タバコを吸いにバルコニーに出ていた。
そして。
食事の後片付けを終わらせた、瀬野将がダウンを着て、やってきた。
瀬野将の姿を確認すると、凄い早さで弁慶が私の膝に飛び乗った。
…弁慶は、根に持つタイプだ。
それがよくわかるから、おかしくてクスクス笑ってしまう。
そんな私を見て嬉しそうに、何笑ってるの?とききながら、私の唇を舐める。
「ん……。」
直ぐに深いキスになる。
瀬野将は、見た目はクールで余裕な男だけれど。
それは、見かけだけ。
殆ど毎日、貪るように私を食べる。
隙あらば、キスをするし。
手も繋ぎたがる。
恥ずかしいけれど、それは私にとってとても嬉しい事だ。