MOONLIGHT


翌日は夜勤で。


翌々日、夜勤明けのそのままの足で。

将がホテルに預けていた弁慶を、引き取りに『鎌倉ワンワンホテルに』行った。

最近、家族解禁になったせいかやたらと服やバック、靴などが送られてくるようになった。

何故なら、プレゼンターに、典幸にばかりかお父さんも加わったからだ。

ハンパない…。

しかも、なぜ私のサイズを把握してるのかがわからないが、どれもこれもぴったりな上、私の好みのデザインが多い。


だから、今日も。

シンプルだけどラインの綺麗な、インナーのセーターとお揃いのバイオレットのニットコート。

これは、スペインのデザイナーのもの。

格好いいので、ロングブーツインでスリムジーンズを合わせた。

髪は後ろで1つ結び。

顔が小さくてたよりなくなるので、髪を纏める時は、仕方がなく髪を盛る。



店に入ると、前に応対してくれた店員さんがいた。

私を見て、ハッ、とする。

「いらっしゃいませ。弁慶ちゃんのお迎えですね?」

何か、作り笑顔な感じ。

私は苦笑いを浮かべ、はい、と頷いた。


弁慶を奥から連れてきてもらう間、店長が話しかけてきた。

何となく、空気が重い。


「今日も瀬野さん、お仕事ですかぁ?」


可愛い顔立ちの店長が、興味津々にきいてくる。

そりゃそうだ、人気俳優で、抱かれたい男殿堂入りだからな。

ええ、まあ、と曖昧に頷く。

下手な事を言って迷惑かかるといけないしな。

すると、私の答えでは満足いかなかったのか。


「弁慶ちゃん、凄くなついていますけど、どうやって仲良くなったんですかぁ?」


質問がまたきた。

えー、これって、変に答えると将との関係もわかるよね、答え方難しいな…。


「えーと、何となく?」

「えー、何となくじゃ、わかんないですよー。弁慶ちゃんをいつもお預りするのに、ちょっとでも仲良くなりたいので、教えてくださいよー。」


まあ、確かに、そりゃそうだけど。

答えるのって難しい。


「そうですね…上手く言えないですけど、私が会った瞬間に好きだと思ったから。だから、あんなに私に愛情をくれるのかもしれません。」


正直な話なんだけど、わかってもらえるかな?


そう思っていたら、突然ハスキーボイスが聞こえた。



「それって、俺の話?」


セクシーな香りがして、肩に手が回された。






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