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手を引かれて奥へ連れて来られてしまった。

和馬はにっこりと笑った。

「着てみて」

ここまで来たら、もう諦めるしかない。

私はうなずいて試着室へ入った。

店員さんは7号と9号を出してくれていた。

7号も入らないことはないけど、きっと9号の方が安心して着られる。

9号だけ着てみよう。

外から店員さんと和馬が、何か喋っているのが聞こえた。

ずいぶんと場慣れしてる?

和馬はこれまで何度も、女の人とこうやって服を買いに来たのかな。

そう思ったら、胸がチクッと痛くなった。

あれ?

これって、私もやきもちを妬いてるのかな。

私、本当に和馬のこと、好きになったの?

自分に驚く自分がおかしくて、クスッと笑ってしまった。
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