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首を傾げていると、和馬はそのまま言葉を続けた。

「まあ、僕は料理しないからよくわからないけど、夜9時に仕事が終わって帰ってくるのに、その後ご飯作るなんてやっぱり疲れてると思うし大変じゃない?でも、ハルはその疲れを押してでも、気を使って無理して作ってしまいそうな気がするんだよね」

「それは……そうだけど」

普通そうなんじゃないのかな?

「でも、僕が『ダメ』って言うことを忠実に聞いてしまうのも、僕に気を使って無理をしていることになるから、良くないね」

……和馬って相変わらず理屈っぽいな。

「ダメって言うのを無視されたら、嫌じゃないの?」

「内容によるかな。僕がやきもちを妬くような内容だったら絶対に許さない」

「えっと……」

本当にすごいやきもち妬きなんだ。

「そんなことはないって信じてるよ」

「そんなことはないよ。……和馬は私が気を使って無理をするって言うけど、好きな人のために何かしたいって気持ちもダメなの?」

和馬はじっと私を見て、少し間をおいてから言った。

「そう言ってくれるのも、ハルが僕に対してそういう気持ちを持ってくれるのも、すごく嬉しいけどね」

「……やっぱりダメ?」

「んー。そしたらさ、時間があって、ハルが本当に作りたいって思う時はご飯作ってよ。本当は僕も食べたいしね」

「え、ホント?だとしたら、休みの日かな?」

「時間があっても、作りたくない時は作らないんだよ?無理はしないっていう約束はそのままだからね」

「……うん、わかった」
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