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「先週もこうやって座って話したね」

和馬がつぶやいた。

和馬もそう思ってたんだ。

同じことを考えていたなんて、ちょっと嬉しくなった。

「うん、私も思い出してたよ」

「今まで何してたとか、家族の話をしたんだよね」

「え?うん、……そうだったね」

そういえば、そうだった。

家族の話をしたんだ。

今まで考えなかったのに、和馬と話をしてからよくお父さんのことを思い出すようになった。

本当の私がどんな私なのかを考える時も、お父さんのことを避けて通れない。

思い出すと苦しくなる。

私は思い出したくないのに。
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