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「うん、今日は話をしたいな」

抱き締めたままそう言うとハルは少し震えた。

「……やっぱり、嫌いになった?」

どうしてそうなるの?

また泣きそうになってる?

「嫌いにならないって言ったでしょ」

「だって、話をするって……」

「なんで話をするのが嫌いになったっていうことになるの?」

「……別れ、話?」

違うよ!もう!

相当マイナス思考になってるな。

「違うよ。別れるわけないじゃない。僕しつこいって言ったでしょ。むしろ、僕のこと嫌いになって離れたくなっても、絶対に離さないよ。僕から離れたりしたら大変だよ?」

ハルは僕の腕の中で、頬を擦り寄せるようにしてうなずいた。
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