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「好きだっていうことを言葉だけじゃなくて、もっと伝えたいから僕は君を抱くんだと思う。それだけじゃないよ。手を繋ぐのも、抱き締めるのも、キスをするのも全部そうなんじゃないかな。愛していることを伝えたくて、愛されていることを感じたいんだよ」

ハルはじっと僕を見ていた。

「嫌なことを忘れるためっていうのは違う気がする。そんなの虚しいよ。それに、体で繋ぎ止めておこうなんていうのは論外だね。僕は体が目当てでハルと一緒にいるわけじゃない」

ハルは小さくうなずいた。

「ハルが僕としたいって思うのが、嫌なことを忘れたいからじゃなくて、僕のこと好きだって伝えたいからなら、僕は嬉しいよ」

「和馬のこと、好きだよ?」

「うん、知ってるよ。でも、今日は嫌われたくないとか、忘れたいって気持ちの方が大きいでしょ?」

「……そうなのかな」

「そうだと思うよ。いい加減、認めたら?」

「……うん」

「もしかして、今日はそれで中に何も着てなかったりするの?」

「……好きなのかな、と思って」

そりゃあ好きだよ、柔らかくて大好きだよ。

もしかして、僕を誘惑したの?

すっごいベタだね。

もう、可愛過ぎるよ。

こんな可愛過ぎる誘惑、本当は今すぐにでも乗りたいところなんだけどなあ。

でも、今日はやっぱりダメ。
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