ページをめくって
僕はハルを抱き締め直した。

「どうして、コントロールできなくなったんだろうね」

「それは、……わかんない」

「考えてみてよ」

「本当にわからないよ」

「例えばさ、僕がすぐダメっていうからそれにずっとムカついてた、とか」

自分で言ったものの、ムカつくって言われたらそれはそれで僕はダメージを受けるから、その返事は怖い、けれどじっと耐える。

ハルは頑張って考えているようだった。

「……我慢できない?うーん、違くて、本当のことを言いたいけど……違うかな」

「思ったことを言ってみてよ」

「うん、普段ならね、我慢すると思うんだよ?言いたいことがあっても。……でも、我慢できなかった感じかな?」

「今回だとダメって言われるのはイヤってことだよね?」

「うん」

「普段から我慢しないで言えばいいじゃない」

「うん。でも……我慢しちゃうね」

「どうして?」

「そんなこと言ったら、嫌われちゃう気がするから、かな」

「言いたいことを言うと?」

「うん」

「言いたいことを言っても嫌われないよ。言いたいことがあったら、話し合えばいいんだよ。思った時に言えなくて、あとから爆発するよりはいいんじゃない?」

「……うん」

今までそうやって言いたいことも言えず、君は自分を殺して置き去りにしてきたんだろうか。

それは父親が原因じゃないのかな、やっぱり。

「怒鳴られない自分」を演じ続けてきた後遺症のようなものだろうか。
< 406 / 522 >

この作品をシェア

pagetop