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「ハル、お父さんのこと思い出したって言ってたでしょ?お父さんに怒鳴られない自分を演じていたって言ってたよね?言いたいことを言えないっていうのは、その辺からきてるんじゃないの?」

「うん、そだね」

「まあ、社会人としては、言いたいことをそのまま言っちゃいけない場面もたくさんあるけどさ、僕と君の関係だったら言いたいことは言ってほしいんだよ。でも、言っちゃいけないような気がしたんでしょ?」

「うん。っていうか、そうじゃなくて、和馬になら言ってもいいのかもしれないって思って、……だけど言えなくて、迷ったのかも」

「言おうとしたけど言えなくて、中途半端になってコントロールできなくなった?」

「そんな感じかな?やっぱり、自分を出すのが怖くなったのかも」

ハルは、僕には言おうとしてくれていたんだ。

それはすごく良いことなんだろう。

でも、結局言えなかった。

「そっか。でも、大丈夫だよ。僕には思う存分自分を出してくれて」

「……私、なんか、すごい子どもだね。あんなことして。……きっとそのうち、和馬だって嫌になっちゃうよ」

ハルはまた少し涙声になった。

「だから、嫌にならないって。もう、いいよ。こうなったら何回でも言うから」

でも確かに、爆発した時は我を忘れた子どもみたいだった。

爆発して子どもが出てきたのか?

子どもだから爆発したのか?

どっちだろう。

「ああいう時って、きっと本当の気持ちが出てるんじゃないのかな?だから、抑えない方がいいのかもしれないよ」

「でも、あんなの……」

「まあ、確かに爆発する前にうまく言ってもらえた方がいいけどね」
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