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僕が手を引こうとすると、ハルは嫌がった。

「遥先輩!大丈夫ですか?」

振り向くと後ろから寺嶋が走り寄ってきて、僕を突き飛ばした。

僕たちの間に割り入った寺嶋は、まるでハルを背に庇うようにして立った。

なにそれ。

そいつの背中に隠れるなんて、やめてよ。

「君、ストーカーなんじゃないの?毎日待ち伏せしたりして」

「この間付き合ってるって言っただろ?ハルは僕と一緒に住んでいる僕の彼女だよ」

「でも、もう、違うんだよね?」

コイツ何言ってんだ。

「違わないよ」

「遥先輩はそうは言っていなかったけど」

ハルはとても困惑した表情をしていた。

ハル、何を言ったの?

それに遥先輩、なんて馴れ馴れしいんだよ。

「先輩を下の名前で呼ぶなんて、ずいぶん生意気だね」

「毎日待っているような無職には、わからないことだよ」

無職じゃないけれど、説明するのは面倒くさいから言わない。

「なんなら『遥』って呼んでもいいけど?ね、遥先輩?」

どういう意味だよ、それ。

もう挑発するのはやめてほしい。

背筋がゾワッとして僕の狂気に触れるんだよ。
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