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「参ったな。ハルにはわかっちゃうんだ」

「うん、わかっちゃったね」

「あーー、もう!くやしい!」

和馬が珍しく大きな声を出して、力強くぎゅうぎゅうと抱き締めてきたから、少し驚いた。

「わかっちゃったことが?」

「違うよ!負けたことが!」

「うん、そっか」

でも、和馬が正直に悔しいとか私の前で言ってくれることがすごく嬉しかった。

私も力を入れてぎゅうっと抱き締め返すと、和馬は小さくため息をついた。

「でも、ちょっとスッキリした。いつも一人で落ち込むだけだったからさ。ハルがいてくれて本当に良かった」

「ホント?嬉しいな……」

和馬は私の髪を撫でた。

「ずっと抱き締めていてもいい?」

「いいよ」

「抱き締めるだけじゃ済まないかもよ」

「……いいよ」

「いや、それはダメだな」
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