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私は背伸びをして、和馬の頭に手を置いた。

「大丈夫だよ」

そう言って私が少し首を傾げて微笑むと、和馬は驚いた顔をした。

「知ってるんだ?結果」

「ううん、知らない」

でも、負けちゃったってことは、見てすぐにわかった。

子どもの頃と同じ、子犬みたいな和馬がそこにいたから。

それを見たら、自然とあの頃と同じように頭に手を置いてしまった。

和馬は寂しげに微笑んだ。

「顔見たら、わかった?」

「うん」

「わからないと思ったんだけどな。落ち込んで見える?」

「ううん、そうじゃなくてね、子犬みたいだったから」

和馬は目を丸くしてじっと私を見つめてから、フッと笑って勢いよく抱き締めた。

「ハルは子どもの頃も落ち込んでる僕の頭をこうやって撫でてくれたもんね」

「うん。あの頃は、どうして落ち込んでるのかまでは知らなかったけどね」

「それでも僕はハルに力を貰っていたよ。僕はいつまでたっても君の子犬なんだね」

「大きな子犬だね」

私たちは抱き合ったままクスクス笑った。
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