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「大丈夫じゃないなら、悪いことするよ?」

…― 悪いことされたかったのかな? ―…

朝、耳元で言われた囁きを思い出して、パッと頬が熱くなった。

「やっ、何?大丈夫っ!大丈夫だから」

「ふーん、残念」

ニヤッとする和馬を見て、やられたと思った。

「そうやって赤くなるから、ついね」

やっぱり、からかっただけだったんだ!

「もうっ!やめてよ」

「うん。大丈夫そうだね」

「ん、大丈夫」

その後、和馬は私が落ち着くのを待ってから、「じゃあ、おやすみ」と言って自分の部屋へ消えた。
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