マンガみたいな事が起きました。*続*

「衣装、完成しましたぁー!」


衣装係りがハンガーに掛けた服を持ってきた。


………カボチャのパンツは免れたみたいだ。


「はーい、これは白雪姫の!
そしてこれは王子様!
そしてこれ、鏡役の裕貴君に言われてリメイクしたよ!
あとはねー……」


役柄のある子たちは衣装を手に、
着替えを始める。


「じゃぁ、女子は隣の空き教室で着替えてきて」


学級委員に言われ返事をして、
舞とその他の女子は出て行った。


俺はハンガーに掛かっている衣装を見て正直、これを着るのかぁ……となっている。


だって、このタキシードみたいな衣装……。
やっぱり白馬の王子様をイメージされているのだろうか。


タキシードと言ったら結婚式の時に着たなぁ。


純白のドレスを身に纏ったお姫様と
七夕結婚したんだよなぁ。


「先生、ちょーかっけー…」


気付けば男子どもが俺を見ていた。


な、なんだよ。


「そりゃ、負けるわな」


「クオリティーが違うんだって」


「またファン増えるんじゃね?」


口々に言われているが
何を言っているのかよくわからない。


年に合わず、こんな格好をしてる俺に蔑んだ言葉でも言ってるのかもしれない。




< 375 / 423 >

この作品をシェア

pagetop