Special to me
『鉄道員は、夜に家に帰るっていう概念がないからね。君、龍成社でしょ?尚更時間の合わせ方が普通と違う』

曽我さん、段々話し方がフランクになっていたのには気付いていたけど、私は晃樹のことが少しでも分かるのであれば、むしろそれが有難かった。

『鉄道員と付き合う彼女って、もしかしたら君と同じような悩みを抱えているのかもね』

「私はどうしたら晃樹の役に立てるのでしょうか?どうしたら"特別な人"になれるのでしょうか?どうしたら晃樹の私に対する迷いを取り除けるのでしょうか?私には、晃樹が何に迷っているのかが、全く理解できなくて・・・だから多分、私が晃樹に何もしていない、未熟な女だからだと、勝手に解釈しています」

すると、曽我さんは私の目の前にシフト表とは別の紙を置いた。

そこには、

【助役級昇格試験選考推薦状】

と書かれていた。

そしてそこには"米原晃樹"と名前が記されていた。
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