Special to me
私はその傍らに置いてある写真盾に写っている晃樹のお父さんらしき人物の写真を見た。

『親父だよ。俺が生まれる前は、かなり名の知れた柔道家だったらしいよ』

『そうよぉ、カッコ良かったんだから』

夕飯の料理をテーブルに並べながら、晃樹のお母さんは明るく話す。

「あ、すみません、手伝います」

私がお母さんのところに行こうとするも、

『いいから座って。今日の真子ちゃんはお客様。お客様に手伝いをさせるほど私は衰えてないわよ』

「すみません…」
『今日は母さんの好意に甘えておけよ』

晃樹はそう言うと、私と同じタイミングでダイニングの椅子に座った。

料理の内容は完全に洋食。

ロールキャベツ、パスタ、シーザーサラダ…

晃樹のお母さん、うちのお母さんと年齢的には変わらないように見えるんだけど、料理のメニューは若々しい。

晃樹には似ていない。

晃樹はどちらかと言えば写真のお父さんに似ているかな。

「すみません、いただきます」

軽く頭を下げて、有り難く頂いた。

うちのお母さんより絶対料理は上手い。
晃樹はだから料理が出来るんだろうな。

何にも家事を手伝って来なかった私は、かなり後悔した。
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