Special to me
気が付いたら、外は夕方になっていた。
私は、寝てしまっていたんだ。

瞼が重い。

あれから、晃樹はどうしたんだろう。

―コンコン―

誰かがこの部屋のドアをノックした。

『真子?』
「ジュン兄?」
『入るぞ』
「うん」

ドアを開けると"お腹空いただろ?"と、おにぎりを乗せたお皿を持っていた。

私はベッドに座り、ジュン兄はカーペット敷きの床に座った。

「みんな・・・晃樹は?」
『俺以外はみんな帰った。晃樹くんも、全員に頭を下げて、お昼前には帰っていったよ』
「晃樹は、何でお父さんにあんなことを言ったのだろう」

私は、てっきり自分との将来を考えてうちにやってきたのだと思っていた。

前の彼女との苦い思い出もある。

それなのに"迷っている"って・・・

『真子、晃樹くんのこと、好きか?』

ジュン兄は単刀直入に聞いてきた。

「もちろん。最初は駅で遠くから見ていてもドキドキしていたの。でも今も近くで見るとドキドキするの。もう、どうしていいか分からないくらい」

私の言葉に"アハハハ"と笑うジュン兄。
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