ウェディングドレスと6月の雨
……そしてプレゼン。
「こちらをごらんください。これが我が社の……」
打ち合わせ通りに説明は進んでいく。普段の無愛想でぶっきらぼうな穂積さんはそこにはいなかった。流暢に製品の説明をし、具体的に数値をあげて他社製品との違いを伝えていく。時折ジョークも交えた飽きさせないトーク、柔らかい笑顔。穂積さんがエースだっていうのも頷けた。
「成瀬さん、次の画像をお願いします」
「はい」
穂積さんは優しい笑顔で私に指示した。そんな顔で見つめられたら……。
穂積さん……。駄目だ、好きになってしまう……。
「以上です。何か質問があれば」
「100台納入するとなると、納期はいつ頃になりますか?」
「はい。今月中には」
「早いね。前向きに検討しますよ、穂積さん」
「ありがとうございます」
「穂積さんのアフターサービスには定評もあるからね」
「恐縮です」
そんなやりとりをしてプレゼンを終えた。
会社への帰り道、穂積さんは私のパソコンまで持ってくれた。力強い腕、スーツの下だけれど持ち方でそんな風に見える。