あなたと私の花言葉


初夏だけど、やっぱり夜は少し
肌寒い。

ピュウっと風が吹くと私の細い髪が
なびく。


「ひゃっ!?」


私の髪と耳にトーヤ君の手が触れた。


な、なんで?
どうしたんだろう…


「トーヤ君?なんか髪についてる?」



暗くてよく見えないけど、トーヤ君の顔が
私のすぐ近くにあるのを感じた。




「お前、なんかいい香りする」





耳のそばで、低ボイスで、ゆっくり、


トーヤ君はそう囁いた。




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