おにぎり屋本舗 うらら
小泉達が足を止めると、高須は睨むような目線を向けた。
小泉が言う。
「高須、お前は破壊の光の信者だな?」
高須は目を見開く。
それは一瞬のことで、すぐに平静を装い、視線を逸らし、無視を決め込んだ。
小泉の言葉に、隣に立つ4課の刑事も驚いていた。
説明を求める顔つきで、小泉を見ている。
小泉は低い声で、推論を語り出す。
「破壊の光は、10年前解体されたが、最近残された末端の信者達が集まり出している。
彼らは復活を夢見るが、信者数が激減し、どうにもならない。
仲間を増やす必要があった。
そこで目を付けたのが、自己啓発セミナーだ。
ああいう物に参加したいと思う時点で、そいつは現状に不満を持っているということ。
破壊の光の教義に染まる素養がある。
お前も、あのセミナーで勧誘されたんだろう?
不満に思う現状を破壊し、理想の世界を手に入れようと言われて」