おにぎり屋本舗 うらら
◇◇
うららが小泉の仕事を邪魔した日から一週間後。
今日は雨。
朝から降り出した雨は、昼を過ぎても止む気配はなく、
おにぎり屋の古い板壁をしっとりと濡らしていた。
うららは傘を差し、交番へ。
交番内は、杉村達いつもの警察官に加え、小泉がいた。
「まいどー!」と元気に入ってきたうららは、小泉を見てすぐに謝った。
「小泉さん!この前は邪魔してごめんなさい!」
「ああ、もう済んだことだ。別にいい」
杉村は風呂敷包みを開き、おにぎりを食べはじめた。
旨そうに食べながら、うららに聞く。
「この前ってなんだ?
何かあったんか?」
聞かれてうららは一週間前のことを話した。
小泉の尾行の邪魔をしたことと、ハンカチ越しのキスをされたことも全て。
その話しに杉村はワハハと笑い出す。
交番の若い警察官は、小泉に失礼かと思い、必死に笑いをこらえていた。
不機嫌そうな顔して何も言わない小泉を、杉村がからかう。
「そうか、そうか。
真面目一本ヤリのお前が、ついに恋をしたか〜
相手がうららちゃんとはな〜
歳は10歳差か?いいんじゃないか?嫁に貰っちまえ、ワハハ」