幸せの花が咲く町で
*
やがて、瞬く間に数日が過ぎ、水曜日がやって来た。
小太郎を迎えに行って家に戻ると、玄関先に花を抱えた篠宮さんの姿があった。
「あ、堤さん、小太郎ちゃん!」
「おばちゃーん!」
僕は会釈し、小太郎は大きく手を振った。
まさか忘れてはいないだろうが、何時ごろ来るのかとか、花はどうすれば良いのかとか何も聞いていなくて、前日、小太郎のお迎えの時に聞こうと思ったら、たまたまタイミングが悪かったのか、篠宮さんはお店にはいなかった。
「こんにちは、篠宮さん。
今日はお世話になります。」
「こちらこそ……」
家の中に入ると、篠宮さんはかいがいしく小太郎の世話をしてくれた。
その好意に甘えて、その間に僕はおやつの用意をする。
昨夜のうちに作っておいたオレンジの寒天ゼリーを生クリームとフルーツで飾り立てるだけだ。
「良かったら、篠宮さんもどうぞ。」
「ありがとうございます。
まぁ、綺麗なゼリー……」
篠宮さんは、そう言いながら目を細めた。
二人が食べ終わったら、ようやくお花の初授業が始まる。
自分の家だから、それほど緊張することはないけれど、それでも、やはりわくわくする気持ちを感じた。
そんな気持ちを押さえながら待っていると、篠宮さんと小太郎は、にこにこしながらゼリーを全部食べ終えた。
やがて、瞬く間に数日が過ぎ、水曜日がやって来た。
小太郎を迎えに行って家に戻ると、玄関先に花を抱えた篠宮さんの姿があった。
「あ、堤さん、小太郎ちゃん!」
「おばちゃーん!」
僕は会釈し、小太郎は大きく手を振った。
まさか忘れてはいないだろうが、何時ごろ来るのかとか、花はどうすれば良いのかとか何も聞いていなくて、前日、小太郎のお迎えの時に聞こうと思ったら、たまたまタイミングが悪かったのか、篠宮さんはお店にはいなかった。
「こんにちは、篠宮さん。
今日はお世話になります。」
「こちらこそ……」
家の中に入ると、篠宮さんはかいがいしく小太郎の世話をしてくれた。
その好意に甘えて、その間に僕はおやつの用意をする。
昨夜のうちに作っておいたオレンジの寒天ゼリーを生クリームとフルーツで飾り立てるだけだ。
「良かったら、篠宮さんもどうぞ。」
「ありがとうございます。
まぁ、綺麗なゼリー……」
篠宮さんは、そう言いながら目を細めた。
二人が食べ終わったら、ようやくお花の初授業が始まる。
自分の家だから、それほど緊張することはないけれど、それでも、やはりわくわくする気持ちを感じた。
そんな気持ちを押さえながら待っていると、篠宮さんと小太郎は、にこにこしながらゼリーを全部食べ終えた。