エンビィ 【完】
「……有名ピアニストがこんなことして…いいと思ってるの?」
「ワタクシ、アクション、エイガ、スキ」
「いま…関係のある話だとは思えないわ」
「ソノナカデモ、アクヤクニ、ナリキレナイ、アクヤク、スキ」
「………」
「だから、フェアリーテール、キカセテアゲルヨ」
面白半分といった表情を、さらに横目で鋭く睨む。
それに対してアイリーンは、目許を下げて、無邪気なのかよく分からない笑みをつくった。
「オトコは、日々を、タイクツに過ごしていましタ」
なんの面白みもない、一言から始まる物語。
あたしは聞くつもりはないと、視線を伏せる。
そもそも、
なぜこのタイミングで?
………お門違いもいいところよ。