エンビィ 【完】




「……有名ピアニストがこんなことして…いいと思ってるの?」


「ワタクシ、アクション、エイガ、スキ」


「いま…関係のある話だとは思えないわ」


「ソノナカデモ、アクヤクニ、ナリキレナイ、アクヤク、スキ」


「………」


「だから、フェアリーテール、キカセテアゲルヨ」



面白半分といった表情を、さらに横目で鋭く睨む。

それに対してアイリーンは、目許を下げて、無邪気なのかよく分からない笑みをつくった。




「オトコは、日々を、タイクツに過ごしていましタ」



なんの面白みもない、一言から始まる物語。

あたしは聞くつもりはないと、視線を伏せる。



そもそも、

なぜこのタイミングで?

………お門違いもいいところよ。



< 111 / 195 >

この作品をシェア

pagetop