エンビィ 【完】
「命をふきこまれた、オトコのサイノウは、まわりのニンゲンをミリョウさせましタ。アンジュマリスィウは、もう自分のヤクメはオワッタとばかりに、次に旅立とうとしまス」
「………」
「オトコは、自分のもとをハナレルのなら、もうサイノウを人前でふるわないと、ジダンダをふみまス。しかしここは、アンジュマリスィウ。オトコに、取引をもちかけまス」
…………取引?
「オトコは、アンジュマリスィウを独り占めデキナイことは、昔からシッテイマシタ」
「……独り占め、できない…?」
――――なんで?
思わず呟いた疑問に、アイリーンはニッコリと笑みを深めた。
そしてシーと人差し指をたてる。
それが癇に障り、アイリーンから目を逸らした。