エンビィ 【完】
「オトコは、考えまス」
「………」
「たとえ、スベテを独り占めデキナクとも、イチブをクレタラと」
……全てじゃなくとも…
一部を、くれたら……?
「オトコのネガイに、アンジュマリスィウは、ためらいもなく了承しましタ」
相変わらずの片言が、想像力を豊かにさせる。
続きを、じれったく待っていれば―――
「メデタシ、メデタシ」
アイリーンは目を細めて、満足そうに言った。
「……は?」
「――――脚色のあるお伽噺だな」
思わず出た本音と被った声の持ち主に、肩が震えた。