エンビィ 【完】




「たぶん…あたしは……少し伊織を甘く見ていたのね」




馬鹿な妄想を膨らますくらいには、

甘くみていたの。




「排除者への手段を選ばないっていうのは、どう、かしら……」



あたしは、

あたしは、


排除者にすら、見られていなかったと思う。


だって、手段を選ばないというのなら、

どんな場面であっても


“二の次”


――――だなんて言葉が出てくるはずがないのだから。




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