エンビィ 【完】




「玲奈様」



高校生にもなって、百瀬におんぶしてもらうとは思ってなかった。




「玲奈様は、立派なお嬢様ですよ」


「…当たり前でしょ」


「血なんて、2番目でしょう?」


「………」


「俺は理想に近づこうと、苦手なピアノ、茶道、華道、バレエにダンス。夜遅くまで頑張っている姿こそ、価値あるものだと、そう思ってます」


「…っ…当たり前でしょっ…!」




血がなんだって言うんだ。


育ちがなんだって言うんだ。




でも、

でもでもでもでもでもでもでもでもでもでもでも、デモ――――――…



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