ガラスの靴じゃないけれど
そこに表示されたのは、余裕のある望月さんの言葉だった。
【さっきは意地悪をしてごめん。でも若葉の可愛い反応を見ることができて満足したよ】
嬉しいような、悔しいような、複雑な想いを抱えてしまう望月さんのメールは、私を悩ませる。
だって、どんな返信をしたらいいのか、思い付かないから......。
【満足してもらえて良かったです】は、ちょっと違う気がするし。
【もう意地悪しないでください】なんて言ったら、望月さんを傷付けてしまうかもしれない。
一段ずつ階段を下りながら、ひたすら望月さんに返信する言葉を考えていると、あっという間に10階に到着してしまった。
時計を見れば、あと10分で午後の業務が始まってしまう。
焦りながらスマホに返信を打ち込んだ私は、歯を磨くためにパタパタと足を進めた。