・約束
今朝は夢見心地のまま、出社したのでメイクも何もなっちゃいない。
そんな私を心配した後輩女子達は、身なりを整えてくれた。

「もぉ、春夏さんらしくないですよぉ」
「昨日は記憶なくなるほど飲んだんですかぁ?」


「…ははっ。久々に会った友達と飲んだから…」



ごまかしてはみたけど、明らかに今までの私とは違う事を見抜いた人物…

「そんなんで今日の打ち合わせ大丈夫なのか?」

「…部長…」


「一体昨日は誰と飲んでたんだよ。こんな姿で出社なんてお前らしくない」

「ですよねぇ~」
「春夏先輩、今日の打ち合わせは朝から4件立て続けにあるんですよ?
 大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ~」
ヘラヘラしてるのが気に食わなかったのか、部長は怒りだした。


「私情を仕事に持ち込むなよ」


「…すいません」


「コワ…部長、何ピリついてるんですかね」
「しっ…聞こえる」

「あ!春夏さん、今日のラスト会議は美央と雅也ですよぉ♪」

「…えっ…」


聞いて無い。
雅也、そんなコト言ってなかった…


「美央の雑誌のコメント受けて、
 ‘さわやか系’のCMから‘エロ系’に完全移行するそうですよ」

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