聖乙女(リル・ファーレ)の叙情詩~真実の詩~
フリードのリュティア女王の印象と言えば、“美しいだけのお人形さん”だった。
奇跡の乙女などともてはやされているが、何も知らないただの小娘にすぎないと思っている。
彼女がまだ16歳で国を追われ放浪の身の上だったことを思えば、政治の素人であることは仕方のないことだったろう。
しかしフローテュリアの大貴族出身で、長年王国の重鎮として軍事参謀を勤め上げ、生の政治の世界を見てきた彼にとって、政治の場に同情など論外だった。結果がすべてなのだ。
フリードは忘れられない。
派遣先のヴァルラムで祖国滅亡の事実を知らされた時の衝撃を。
フリードはなんとしても愛する故国フローテュリアを再興させ、その暁には自分が国を引っ張っていく要になろうと決意した。それができるという自負もあった。
実際再興した王国で宰相となった今、その気概を十二分に発揮していると思っている。そんな自分の足を引っ張るのがこの無知な女王なのだ。
だからちょっと言葉は冷たかったかも知れないが、国を背負う自分が、お人形さんの勉強ごっこにつきあう義理はないのだと思った。それで女王のそんなセリフなどその日のうちにすっかり忘れた。
奇跡の乙女などともてはやされているが、何も知らないただの小娘にすぎないと思っている。
彼女がまだ16歳で国を追われ放浪の身の上だったことを思えば、政治の素人であることは仕方のないことだったろう。
しかしフローテュリアの大貴族出身で、長年王国の重鎮として軍事参謀を勤め上げ、生の政治の世界を見てきた彼にとって、政治の場に同情など論外だった。結果がすべてなのだ。
フリードは忘れられない。
派遣先のヴァルラムで祖国滅亡の事実を知らされた時の衝撃を。
フリードはなんとしても愛する故国フローテュリアを再興させ、その暁には自分が国を引っ張っていく要になろうと決意した。それができるという自負もあった。
実際再興した王国で宰相となった今、その気概を十二分に発揮していると思っている。そんな自分の足を引っ張るのがこの無知な女王なのだ。
だからちょっと言葉は冷たかったかも知れないが、国を背負う自分が、お人形さんの勉強ごっこにつきあう義理はないのだと思った。それで女王のそんなセリフなどその日のうちにすっかり忘れた。