泣き虫王子と哀願少女
ドクン……ドクン……ドクン……
つかまれた手首を壁に押し付けられる。
カタカタと体の震えが止まらない。
「離……して……っ」
ようやく絞り出した言葉もただ虚しく響くだけ。
長身から射抜くような眼差しで見下ろされ、視線をそらすことができない。
―― どうしようっ……
私の心の叫びとは裏腹に、先生のもう片方の手が私の顎に添えられる。
「っ!!!」
徐々に近付いてくる先生の顔。
……もうダメッ!
どうにもならない絶対絶命のピンチに、ギュッと目を瞑った。