泣き虫王子と哀願少女
一瞬、自分の耳を疑う。
―― あれ? 今リカちゃんが潤君のこと『潤』って呼び捨てにしたような……。
頭痛のせいで聞き間違えちゃったかな?と、とりあえずその場は聞き流す。
「昨日も待っててくれたんだ? 来られなくてごめんね」
「ううん、潤が一緒にいてくれたから大丈夫だよ!」
「!?」
『潤』
やっぱり聞き間違えじゃなかった……。
ズキン……ズキン……
頭痛とは別に、不意に胸の奥が痛み出した。