泣き虫王子と哀願少女
その日の放課後。
私はニャン太の好物である納豆を携え裏庭へと向かった。
この前の事件ではニャン太にも助けられたので、そのお礼も兼ねてスーパーに並べられていた中で一番高い納豆を奮発したのだ。
「さすがに潤君の高級わら納豆には敵わないけど、これならきっとニャン太も喜んでくれるよね」
高い納豆を持参したせいか、いつもより軽快な足取りで裏庭へと踏み入る。
「ニャン太ー。納豆持ってきたよー」
「んにゃ~」
いつもならなかなか出てこないニャン太だが、今日はあっさりと姿を現した。
にゃーにゃーと納豆をねだるように鳴きながら、私の足もとをウロウロと歩き回る。
「はいはい、今あげるから待っててね」
そう言ってビニール袋から納豆を取り出し、蓋を開け地面へと置いた。