泣き虫王子と哀願少女
こ、これはもしかして、もしかしなくても……!?
飛び出しそうな心臓を押さえながら、恐る恐る顔を上げる。
「よお」
「!」
予想通り私の目の前に立っていたのは、なんだか楽しげな表情をした潤君だった。
ややや、やっぱり潤君っ!
ドキドキドキドキ……
更に速度を増してゆく私の鼓動。
ど、どうしようっ! まだ、心の準備が……!
焦って頭が真っ白になってしまい、気の利いた言葉が何も浮かんでこない。
何か……何か言わなきゃっ!
目を白黒させながら動揺しまくる私の口を突いて出たのは
「あ、あの……えっと……、こ、こんにちはっ!」
なんとも情けない、他人行儀な挨拶の言葉だった。