泣き虫王子と哀願少女


「『こんにちは』ってお前……」



潤君が呆れたように、ポカンと口を開けたまま私を見下ろしている。



「えっ? あ、あの、ごめんねっ! 今更こんな挨拶変だよねっ」



わ~っ! 私のバカバカバカっ! 意識し過ぎてうまくしゃべれないよ~っ。



相変わらず落ち着きなくキョロキョロと目を泳がせる私。


これではこの前のことを気にして緊張しているのが、潤君にバレバレである。



「ぷっ」

「えっ?」

「ぷぷぷっ、くっくっくっ……」



そんな私を眺めていた潤君が、不意に笑いをこらえるように噴き出したかと思うと



「ハハッ、アハハハハ!」

「っ!」



お腹を抱えて大きな声で笑い出した。



潤君が……笑った……。



ドキ~ン!



まずいっ、今度こそ本当に心臓が飛び出しちゃったかも!?



そう思う程、私の心臓が跳ね上がった。


激しい動悸と共に、胸のキュンキュンも止まらない。


とにかく潤君の笑った顔が眩しくて、頭がクラクラしそうな程愛しかった。

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