泣き虫王子と哀願少女
「だいたい、さっきからいったい何なんだよっ! 俺になんか恨みでもあんのかよっ!?」
「う……恨みぃ~……!?」
「恨みじゃなけりゃ、俺とケンカでもやろ~ってのか!?」
「ケ……ケンカ~……!?」
怒涛の展開に、全く頭がついていかない。
おろおろと目を白黒させている私に、なおも怒りの声は鳴りやまない。
「恨みでもない、ケンカでもないってんならいったい何なんだよっ!」
「……で……弟子にして下さいっ!!!!!」
ものすごい剣幕に押され、謝罪の言葉を述べようとした私の口をついて出たのは、自分でも全く思いもよらない一言だった……。