アキと私〜茜色の約束〜

ハーフタイムに入ると、選手達は一旦会場から出て行く。

私もすぐに席を立ち、更衣室がある一階まで降りて秋人の姿を探した。

混雑した騒がしい廊下を、見逃さないように目を凝らしながら走る。

奥に進むにつれて人が少なくなり、【関係者以外立ち入り禁止】の表示板が置かれた突き当たりまで来ると足を止めた。

流石にここにはいないよね…

引き返そうと踵を返した時、突き当たりを曲がった所あたりから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「ガチガチに固めてくれ」

「でも…」

「いいからっ‼︎」


すぐに突き当たりを曲がると、廊下の壁に背を預けて足を伸ばして座る秋人と、その対面にマネージャーが救急箱を手に持ってしゃがんでいて。

秋人は悔しさと焦りなのか、負のオーラを前面に押し出して、マネージャーに食ってかかっている。

ガチガチに固めろって…
あの馬鹿!



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