アキと私〜茜色の約束〜
アキが何か言おうと口を開いたとき、『あれ?アキ君?』と、アキの後ろから親父の声が聞こえた。
『あ、おじさん。こんにちは。今日は早いんですね』
『こんにちは。今日は高校の合格発表だろ?気になって早く帰って来たんだ』
『ああ、それ俺も気になってたんです』
二人は、『で、どうだった?』と俺を期待の眼差しで見つめてくる。
『んなことより、親父、ちょっと出てくるわ』
『あ、おい!秋人!』
俺は二人から逃げるように、家を出た。
なんだ、あいつら。
女みたいに目を輝かせやがって、気持ちわりぃ。
土手沿いの道を歩く。
親父は母さんの不倫騒動から一転、すっかり元気になっていて、今では女の影が見える。
あれだけ泣きそうになりながら、母さんを愛してる、とか言ってたくせに。
やっぱり、大人ってわからない。