アキと私〜茜色の約束〜

『ふざけんなよ…目開けろよ…おい、アキ』


その後のことは、はっきりと覚えていない。

すぐに来た救急車で運ばれて、処置をするって言われたのを後回しにしてもらって。
アキの手術室の前に座っていたら、茜が来て。

親父も駆けつけて、俺は足の治療をして。
靭帯が損傷していたらしいけど、そんなことどうでもよくて。


気が付くと、自分の部屋で朝を迎えた。

リビングのソファで、仕事にも行かずに座り込む親父に嫌な予感がする。



『親父、アキは…?』

『秋人。お前、大丈夫か?』

『なぁ!アキはどうした‼︎⁉︎』


急に声を上げた俺に、親父は気まずそうに口を開いた。


『行くか。アキ君のお見舞い』



その日は学校を休んで、昨日運ばれた総合病院に行った。

ICUの前でアキの両親と鉢合わせ、聞いたアキの病状に言葉もでなかった。


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