アキと私〜茜色の約束〜

『植物状態…』


つまり、眠ったままってことだよな…
アキが、目を覚まさない…?

嘘だろ、誰か嘘って言ってくれよ…


目を閉じると、蘇る事故の一部始終。

アキが俺を呼ぶ声。
迫り来るトラック。
足の痛み。
そして、アキの血の感触とグッタリしたアキ。

俺のせいだ。
俺が、ちゃんと見ないで渡ろうとしたから。
飛び出したりしたから。

アキは俺のせいで、今も未来も、全てを失った…

全部、全部、俺のせいで。


『あ、ああ……っ、ハァハァっハァ…』

『おい、秋人?大丈夫か⁉︎』


呼吸が苦しい…
息が、出来ない…

助けて、助けて…


近くにいた看護師が、袋を俺の口に当ててゆっくり呼吸するように促す。

やがて楽になると、呼ばれて駆けつけた医師が言った。


『精神的なものから来る過呼吸でしょう。以前にも似たようなことがありましたか?』


< 207 / 212 >

この作品をシェア

pagetop