アキと私〜茜色の約束〜
『いえ、ありません』
俺の代わりに親父が答える。
近くでアキの両親が心配そうな表情で俺を見ていた。
先生は、少し休めば大丈夫でしょう、と言って、戻っていった。
『秋人君にお願いがあるの』
長椅子で休む俺の目線に合わせて、アキのおばさんがしゃがむ。
俺の手を取ると、両手で挟み込むように握り締めた。
『どうか、この事故が自分のせいだと、自分を責めないでほしいの。決して秋人君のせいじゃないから。秋人君は何も背負うことないのよ』
そう言うおばさんの手と声が震えていて、俺は俯くしか出来なかった。
『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…』
そう何度も呟く。
頬を止めどなく涙が流れて、落ちた。